第16話・ラビット、パンを食べる

[前回までのあらすじ]
 今回はラビットのメモリアル女性の一人である「HOKUOの女性」が登場。
 はたして彼女はラビットの餌食となってしまうのだろう?
 はたまた…


「第16話 ラビット、パンを食べる」


--コンコン--
 海ちゃんの部屋を叩く音が聞こえる。
--コンコン--
「お~い、海ちゃん」
 ドアを叩いているのはラビットらしい。
 しかし相変わらず海ちゃんは無視していた。
「お~い、海ちゃん、パンあるんだけど」
--ガチャ--
 いきなりドアが開いた。
「ま、入れよ」
 いつもとはうって変わって笑顔で海ちゃんはラビを中に入れた。
 どうやら食べ物につられたようである。
「ま、このパンでも食べてよ」
 [HOKUO]と書かれた袋にたくさんのパンが入っていた。
「あれ?何でこんなにパンがあんのよ」
「うん?ちょっとね…」
「何だよ。隠さなくてもいいじゃんよ」
「うん。KOKUOの女性を憶えてるかい?」
「ああ、T村さんの友達でしょ?君の狙っている女性の一人の」
「おいおい、そんな言い方は無いでしょ!」
「まぁまぁ、で、彼女がどうしたのよ?」
 さっそくパンを食べながら海ちゃんは聞いた。
「彼女は福住のHOKUOでバイトしているんだよ。それで客の振りをして会いにいったのさ」
 
--説明しよう。「福住とは札幌豊平区の中にある地域名である」--

「へぇ。で、わざわざそこまで行って買ってきたと」
「うん。あまり話せなかったけどね。彼女はどうもつれないんだよねぇ」
「ふ~ん、なかなか勘の鋭い子だね」
「え?何で?」
「だって、君と二人きりで会うのを何かと理由を付けて今まで断っているんだよね?」
「ああ、そうだけど」
「それは君を警戒しているんだよ。明らかだね」
「何でだよぉ」
「…ふん。そんな事も分からんのか?バカビットよ」
「バカビットって言うなよ!」
「まぁ、彼女は諦めた方がいいぞ」
「う~ん」

 結局ラビはHOKUOの女性と接する機会が少なくなってきた。
 そしていつの間にか縁の切れた存在になってしまった。
 というか元々縁なんて無かったかも…


[次回予告]
 次に登場するのはラビのメモリアル女性の一人「宍戸ジョー」。
 すでに名前だけは登場していたが、次回ついに登場する!
 海ちゃんも声だけしか聞いた事がない彼女であるが、ラビの餌食となってしまう事に…
 ラビよ、君は本当にそれでいいのか?

次回 「第17話 ラビット、花火大会での悪戯」にご期待下さい
 
この物語は真実を元に構成されたノンフィクションです

監督 海ちゃん
制作協力 みっつ
  


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